実体験をベースに書いています。
こんな人もいるんだなーと参考になれば幸いです。
1: スキル・常識が身についた
常勤で大学病院や地域の中核病院、非常勤バイトでクリニックや透析管理など、多様な施設で勤務でき経験を積むことができました。
この結果、医療の全体像がわかり、常識が身に付いたと思います。多様な施設で経験を積めるのは、医局にいないとできなかったと思います。
また、一般的な病棟管理や、手術手技の基本、当科的な手技・技術が身に付きました。これらは医局に属さなくても勤務先によっては身につけることができますが、医局に属していた方が関わるチャンスは増えるでしょう。
2: 資格が取れた
2つめのメリットは当科専門医をスムーズに取得することができた点です。
専門医の取得には必ずしも医局に入っている必要はありませんが、症例数などは余りあるほど豊富で、医局に入っているメリットは感じます。
指導医までは取得しませんでしたが、医局にそのまま在籍していればスムーズだったでしょう。
退局しても専門医更新はできますが、指導医取得は困難でしょう。
最近は内科領域を中心に専門医資格が細分化されて、「どこまで取得して退局しよう・・・」という悩みも良く聞かれます。自分の将来にどの資格が必要なのか、取得するにどれだけの年数と手間がかかるかを天秤にかけながら、医局を辞めるタイミングを見極めないといけません。
私は専門医取得後に医局を辞めました。専門医・指導医の有無で就職先や給料がかわるかは科や職場によってかわります。客観的な判断材料を得るために、転職情報を調べてみるのも手ですね。
3: 若手の割には稼げた
振り返ってみると、医師3-4年目の給料は自分のスキルの割には、少し給料は多めだったかもしれません。当科の外勤バイトの給料はすごく高い訳では無いですが、当初からまあまあもらえていました。
なので医師3-4年目の給料は、比較すると少しいい方だったかもしれません。当直バイトはたくさんしていましたが。
医局からの派遣だから安心、というのが雇う側にもあったのかもしれません。
4: アカデミックな人脈がフリーパス
自大学医局だったので基礎分野にアクセスしようと思えばいつでもできましたし、医局内のコネクションで海外・国内留学もお願いしようと思えばできたでしょう。
自分自身にコネが無い所でも、教授にお願いすれば、どこでも繋がれそうな雰囲気はありました。
医局を辞めたあとからでは、そういうことは困難でしょう。研究や発表などアカデミックな分野で活動を広げたい場合は、医局に属していたほうがメリットが大きいでしょう。
自分はあまり活用しなかったのでこのメリットを感じることはなかったですが・・・
5: 思考停止でも生きていけた
医局にいれば、自分のキャリアプランを考える必要が無く、言われるがまま異動し、仕事していればそこそこの給料がもらえます。
そのため、自分の将来像が見えていないとき、自分自身にやりたいことがないときは、医局にいるメリットはあるでしょう。
もっと給料が高いところがいい!勝手に転勤させないでくれ!など不満が出てきた時は、やめ時かもしれませんね。
6: いい人たちと繋がりを持てた
人間関係なので個人差は大きいと思いますが・・・
とても暖かい医局でしたし、特に大学病院にいたときには大学の時から知っている同級生や年の近い先輩・後輩にも大変お世話になりました。
他の大学・医局では専門医を取るまでハードに働くことはできなかったと思ってますし、医局に感謝しています。
医局を辞めて、もう一緒に仕事をすることがないと思うと、少し寂しいですね。
おわりに
普通に入院患者を診たり、手術をしたりする最低限のスキルを身に付けることや、専門医や指導医も施設を選べば取得可能なので、医局にいないとできないことではありません。
それでも医局にいるのであれば、「自大学での研究したい!」、「○○の研究に興味あるから、コネクション作って!」「自分の興味や専門をまだ決められないからしばらく医局にいよう!」など、目的意識をもつのがよいでしょう。
医局は忙しいですし、いろいろな仕事が降ってきますから、目的意識がないと忙しさばかりに目が行くようになってしまうと思います。
在籍する理由が強ければ強いほどいいと思います。将来のキャリアが見えて必要な資格を取ったりコネクションを作ったりして、医局を利用していく、という姿勢を取っていきたいところですね。
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