時間が欲しい
「10日連続当直」「3日で4時間睡眠」「残業180時間」
これすべて実体験です。
10日連続当直では家にあるパンツを全て車に詰め込みました。
8~10日目は当直室に入った瞬間にベッドにダイブして就寝です。夜ご飯<睡眠。
3日で4時間睡眠、手術の助手がうまく行かずに上司に怒られたり・・・
月6-7回当直とそれ以外の日が全てオンコールだった頃は残業180時間と過労死ラインもびっくりの残業時間でした。
新入医局人時代はいろいろな病院にいましたが、平均すると月に6-15回当直(バイトも含む)、週6〜7回勤務、残業80-150時間、オンコールだらけで完全フリー日は月1-3日。完全に気が休まる時間はほとんどなく、医療以外のことにほとんど触れず、あっという間に日々が過ぎ去っていきました。
少し学年が上がって当直は減りました。ですが、緊急手術が1人でできるようになり、オンコールによる急な出勤が増加。楽しみにしていた飲み会を泣く泣くあきらめたり、家事を全て妻に任せたり。プライベートを楽しむ余裕はありませんでした。
地味にストレスなのが、休日に病院から何回も電話がかかってきたこと。病棟からのちょっとした質問、救急外来での対応の相談など。病院に行く必要がなくても、平穏な休日は電話の音で壊されるのです。
日本の医療界は若手医師を中心に働きすぎで、ブラック企業もびっくりです。
妻は非医療系ホワイト企業に勤め。一緒に暮らしてみてはじめて、自分がいる業界がブラックだと気がつきました。
お金がもう少し欲しい
お給料は年収1,200~1,400万円。日本の平均年収は463万円(令和元年)。年齢の割にはもらっていますし、他科より少し多いかもしれないけど、決してコスパは良くないです。平均の3倍以上、確実に働いています。大手企業に入った方がコスパは良いです。
一般的に大学病院などの勤務医の給料は、年次を重ねてもあまり増えません。
以下の仮定で将来的な貯金を考えます。
- 年収1,500万円、手取り約1,000万円
- 既婚、子あり
- 30-35年勤務
- 家・高級車の購入無し
この条件で貯金は年に200万円、頑張って300万円。定年を考える年齢で貯金はがんばって6,000~10,000万円。立派な家を建てたり、定期的に車を買い替えるともっと出費はかさみます。定年退職はできないでしょう。さらに子供を私立の医学部に入れると・・・
医者は決して金持ちではないですし、マネーリテラシーが高い人も少ないです。死ぬまで働くことになるのが関の山です。
私は死ぬまで働き続けたくないです。コスパ良く仕事ししっかり貯金して、いつかリタイヤしたいです。
対人ストレスが少ない所で働きたい
大学病院や医局派遣の病院のほとんどが、高度な医療を提供している激務な病院です。
そして多くの場合、研修指定病院で研修医がいます。医者がやるかどうかグレーゾーンの仕事は、残念ながら研修医や若手に回ってきます。激務の中「これ、ほんとに俺がやらないといけない仕事なのかな・・・」と思わされる仕事ばかりでやりがいを感じないことも多かったです。
また、大学病院にいる患者様は期待が高い方が多く、アポなしで病状説明を求められたり、説明に時間がかかったりすることも多かったです。
忙しいところほど職場の雰囲気は悪く、殺伐として無用な仲間割れも多いです。
やっと仕事が終わったと思って医局に戻ると、突然「今度この講演で何かしゃべって」「このデータまとめといて」「このテーマで論文を書いてみない?」と学術的な仕事も降ってきます。もともと仕事量が多いのに、いつどこから仕事が飛んでくるかわからない大学病院で仕事をするのは、思い返してみるとかなりストレスが多かったです。
医師を募集している民間病院では分業がしっかりしています。
大病院以外は医者の数が少ないので、グレーゾーンの仕事はコメディカルがやります。医者の給料が高いため、コメディカルができる仕事を医者に極力やらせないのです。全員が、とは言いませんが、コメディカルは機転がきいて自力でできることを極力やろうとします。仕事量が大学病院と比べると少ないのに、まわりのサポートがしっかりしていて働きやすいのです。
医局での出世に興味がない
医局でのゴールは、大学で出世する、もくしは関連病院で診療部長になることです。
大学で出世するためには、才能と政治力と、10−20年に一度の席が回ってくるタイミングの良さが必要です。教授・准教授レベルになると莫大な知識量が求められ、論文もたくさん執筆する必要があります。学内の教授戦に勝つためには政治力が必要です。なりたいと思ってもなれないことが多いです。大学の診療科の顔ですから、プレッシャーも相当にあります。
関連病院の部長はポストが空くタイミングの良さが必要です。若手医師よりは月10-20万円は多くもらっていますが、激務・薄給でそこまで労働条件は良くないです。そして呼ばれる可能性が0%の日は無いです。病院上層部から経営に関しては厳しく結果を求められます。
下からみていて僕はどちらも興味を持てませんでした。
どちらにもなりたくなければ、医局で得られるもの(専門医、認定医など)を得たら、ストレスを貯める前に早めに辞めましょう。
医局人である限り激務で時間がなく、視野が狭くなります。また、医局人であることは、求められる医療のハードルが医師の中で最も高いのに、報酬が十分でないのです。No moreやりがい搾取です。
幸せになりたい
仕事だけでなく、家庭や自分の趣味・やりたいことなど、人生トータルでの幸せを追い求めたいと考えるようになりました。
仕事が忙しすぎて離婚。僕からすると本末転倒のようなことが我々の業界では頻発しています。
僕は子供が大好きで、理想としては主夫になりたいくらいです。仕事よりも、家族との時間を大切にしたくなったのです。
また、僕は多趣味な人間で、友人は趣味を通した人間関係がほとんどです。これらにかける時間も欲しくなりました。
自分が何をしているときが一番幸せか、を突き詰めることが大事だと思います。
それが必ずしも仕事である必要はないと思います。
自分の人生を取り戻すために
転職活動を始めました。医局を辞めたいと思っています。このブログでは転職活動で学んだことや体験したことなどをまとめています。
もっと家族の時間が欲しい、当直なしで朝までしっかり休みたい、給与をあげてFIREしたい。
いろんな理由はありますが、医局を辞めるために転職活動をしていて、晴々とした気持ちです。
もし、あなたが「医局を辞めたい」という気持ちが少しでもあるなら、転職エージェントに登録してみることをオススメしたいです。医局以外の道を知ることで(転職をしなかったとしても)視野が広がりますし、エージェントと話すことで本当の気持ちが見えてきます。
一押しは「民間医局」です。求人数も豊富で、エージェントの質も高く、親身に相談に乗ってくれました。民間医局のエージェントさんに出会わなかったら、転職したいという気持ちも折れていたかもしれません。登録も利用も無料なのでぜひ試してみてください。

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