医局を辞めたいけど、フリーランス医師になるってなんだか不安。
フリーなるには、どんな能力があるといいの?
フリーランス医師になるには、医療の知識・技術はもちろんのこと、他にも求められる能力があります。実際に医局を辞めて感じている、フリー医に必要な4つの能力を紹介します。
自己責任で生きていくという気概
医局員であれば医療トラブルがあった時に病院および医局が助けてくれます。アルバイト先でトラブルがあったら他の医局員と交代するなど、マイルドな解決法が取られることもあるでしょう。
また雇う側も医局員を雇うのはメリットがあります。医者を安定供給されますし、大学病院とのコネクションができるからです。そのため、経験の浅い、若い医師でも雇ってくれるのです。
フリー医が雇用されている病院でトラブルを起こしたらどうでしょう。もちろん病院がある程度は守ってくれるでしょう。
しかし医局の後ろ盾がない分、個人に対する損害賠償はされやすいのではないでしょうか。首を切りやすい、と言わざるを得ないと思われます。
なので人一倍リスクに敏感になる必要があります。丁寧な説明およびそのカルテ記載というリスクヘッジや、同業者なら納得するような、まっとうな医療をする必要があります。
もちろん個人での保険加入はマストです。医局や大学の賠償責任保険に入り続けることができるなら、それもいいでしょう。「民間医局」でも賠償責任保険をとりあつかっています。年額や補償をくらべてみてもいいですね。
仕事を確保し続ける能力・人脈
当たり前ですが定期非常勤にせよスポットバイトにせよ、最低限のコミュ力と臨床力でクビにならないことが必要です。
常に新しい案件で働き続けるのは現実的でないと思うので、「ここの案件いいな」とリピートしたい思う所と両想いになれるような努力をしましょう。
医局員時代から非常勤先である程度の評価を得ておけば、「何かあったらうちに就職してよ」と言われることもあるでしょう。本当に困ったら、「雇ってくれませんか?」とお願いすることもできるかもしれません。
また、卒後ある程度の年次がたてば年の近い先輩~同級生~後輩たちが開業するでしょう。雇い主になってくれる可能性は0ではありません。連絡が来たら必ずお祝いの品を贈って良好な関係を保つようにしたいですね。
同期、後輩の開業祝いに空気清浄機を送りよろこばれました。
どこまで資格を取るかの判断力
僕の意見としては各科のベースの専門医のみ取得してフリーになるのが良いと思っています。そうすることで仕事の選択肢が広がりますし、重宝されると思います。
ですが、専門医が無いと仕事が見つからない、ということはないでしょう。医師免許があればできる仕事は多くありますし、転職後に専門医をとることもできます。
ただ、専門医をとっていた方が、選べる仕事の幅は広がります。結果的に、自分が楽しいと思える仕事が見つかる確率も上がるでしょう。
今後、常勤に戻ろうとした時に、客観的に自分の専門性・希少性を担保してくれるのは資格のみになります。専門医はリスクヘッジになるでしょう。
「どこまで資格を取るかの判断」は各診療科によっても異なりますし、診療科の専門を生かして働きたいかによっても変わってきます。なので、この判断は自分でしなければなりません。
「研修修了してすぐにコロナウイルスPCR検査を開業して年収で数億円も儲かった」という噂話を聞いたことがあります。これはもちろん稀な例で、時流を読む力、思い切りの良さなどの商才が要ることです。
このように商才やたぐいまれなる能力を持っていれば専門医など無くても稼いで行けます。
専門医なしでも働ける場所があるのか不安…という方はまず転職エージェントに相談を。どんな仕事があるかを知ることが判断材料になりますよ。
倹約・資産形成
フリー医の働き方は様々だと思いますが、年収3,000~5,000万を越えるようなことはあまりないでしょう。
また、先ほど述べたように何かあったら切られやすいのがフリー医です。フリー医・バイト医が切られる原因として勤務態度・素行不良、病院経営の悪化による経費削減があり、これは医局員時代にも耳にしました。
今後に起こりうる事として病院の統廃合、閉院もあり得ますし、我が国の年金・医療費の問題は常に議論があり、医療制度に大きな変革ある可能性も無いとは言えません。
一時的に仕事が無くなってしまうリスクなどを考えると、フリー医は倹約・資産形成に気に遣うべきと考えます。
ⅰ)時間ができるからこそ倹約
まずはこの本を推奨します。
多くの日本人がお金から自由になれないのは、学校で「お金」について学ぶ機会がなかったからです。お金に困らない人生を送るためには、「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」という5つの力を学び、行動していくしかありません。本書では、5つの力の身につけ方を徹底してわかりやすく解説しました。
引用:楽天ブックス: 本当の自由を手に入れる お金の大学 – 両@リベ大学長 – 9784023318786 : 本
NISA・iDeCo・株式投資・不動産投資などの前に、「そもそもの固定費、減らせませんか?」という初歩的なことから書いてあり大変ためになります。
以前、私はコンビニで毎朝「おにぎり、Lチキ、清涼飲料水」を買っていましたが、転職で朝の時間が確保されたので辞めました。今では自宅で朝ごはんを食べ、水筒を持って出勤しています。水筒は本当にオススメで、魔法瓶なら氷が溶けず夕方になっても冷たい麦茶を飲めます。冷えているとお茶でもおいしさが増します。
また以前はいつどこに異動になるかわからない上に、駅から離れた大きな病院が勤務の中心だったので車を所持していましたが、転職で立地良好なクリニックで働くことが多くなり、車を売却しました。
月に1回くらい良い所でディナーしたいけど節約もしたい!という方には平日ランチを勧めます。ディナーで2,3万円する所でも5千円のランチがあったりして、これのコスパは非常に良いです。もうディナーは行けません。
あと家計簿アプリも重要です。私は「マネーフォワード」という家計簿アプリを入れたところ、身に覚えのないサブスクに入っていることがわかりました。月500円でしたが、使ってないものにお金を払うのはばかばかしいです。
スマホもdocomoからahamoに乗り換えました。iPhoneユーザーですが特に困ったことは起きずに、価格だけ安くなり満足です。
こういうように、時間ができることで節約できることもあります。
ⅱ)時間ができるからこそ資産形成
最近は投資が大流行してますね。時間があるからこそNISA・iDeCo・株式投資などをしっかり勉強して、始めてみましょう。(もちろん投資は自己責任です。)
投資の勉強をすると視野が広がりますし、物の見方が変わっていくようでおもしろいですよ。投資関連の本は4-5冊読むと、だいたい同じことが書いてあるように感じられると思います。
個人的に納得度が高かったのがこの本です。
投資に必要なマインド、基礎知識、短期投資、不動産、日々の情報収集に至るまで網羅的に触れられています。まずはこの本で全体を俯瞰的に学び、気になるところを深掘りしていくのがいいでしょう。
初めからFX・信用取引・仮想通貨に手を出すのではなく、無難な投資から始めてみましょう。
本に書いてあるようで書いてないこととして、「どれくらい資産を投資に回すか。」、言い換えると「どういったポートフォリオを組むか」が上げられますが、これこそしっかり勉強し個人の考えのもとやっていきましょう。どのような事をリスクヘッジするか、それは人それぞれだと思います。
まとめ
フリーランス医師として長く続けていくために必要な3つのことを紹介しました。
- 自己責任で生きていくという気概
- 仕事を確保し続ける能力・人脈
- 倹約・資産形成
これからフリーになる人、すでにフリーになった人の参考になれば幸いです。
医局を辞めて転職を考えているなら、転職エージェントの利用がオススメです。
私のイチオシは「民間医局」です。初めての転職でも親身に話を聞いてくれ、場合によっては転職をオススメしないこともあります。
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